COLLODION PROCESS WORKSHOP
湿板写真とはー簡単なワークフローー
正式名称はコロジオン湿板方式(wet colloidon Process)1851年にイギリス人フレデリックスコットアーチャー、ギュスターヴルグレイらによって発明されました。ヨウ化コロジオンをひいたガラス板を硝酸銀溶液に浸し原板とし、湿っているうちに撮影、現像を行います。
コロジオンプロセスは、ダゲレオタイプのような諧調豊かな画像が得られる事とガラス原板から紙焼きを行える(つまりネガーポジ法であること)という特徴を持ちます。鶏卵紙等に焼き付ける場合のネガ原板としての使用と、原板そのものの裏に黒い紙や布をあてる事でポジ画像(アンブロタイプ)として鑑賞する事も出来ます。また原板を黒いブリキ(ティンタイプ)や腐食しない素材(アルミや、アルポリックなど)にした場合はダイレクト画像が得られる事になります。
ここでは簡単に湿板写真のワークフローを紹介します
まずは、ガラスを炭酸カルシウム溶液(炭酸カルシウム+アルコール+精製水)で磨きます
よく磨いたガラスのフチをランパク液(乾燥卵白+水)でなぞって下引きとします(この後にヨウ化コロジオン溶液を引く際の垂れ防止、乾燥後の剥がれ防止に役立ます、やらない人も多いみたいですが、やっとくといいと思います)
ランパク液が乾いたら、ヨウ化コロジオン溶液(コロジオン+臭化物+ヨウ化物+エーテル+アルコール)をガラスに引きます。上手い事やりましょう
ガラスにコロジオンを引いたら、すぐに乾燥が始まります、ガラス表面が指で触った時に軽く指紋が付くくらいの生乾きになったら、硝酸銀溶液(硝酸銀+蒸留水)に浸します。上図のようなボックス(中にはアクリルボックスが入っています)かバットに硝酸銀溶液が入っています。
ここから暗室作業になります(全暗黒でなくて大丈夫、目安としては新聞が読めるか読めないかくらいって感じで、かなりゆるいモノクロプリントくらいの感じで)
およそ3−5分ほど硝酸銀溶液に浸したら、引き上げます、この際表面が液体を弾いているようならまだ浸しておきます。弾いてなければ大丈夫です。
引き上げて、フォルダにガラスをセットします、その際、ガラスの裏面はよく拭いておきましょう(硝酸銀溶液は色んなものを腐食させるので)
撮影します、感度はだいたいiso1-3くらいと言われています。湿板写真は、主に紫外線に感光しますので
最初のうちは、なんとなく勘で撮ります。「露出計はあまり参考にならない」とか言われますが、無いより全然いいです
撮影後、暗室に戻り、現像します(写真がない。。。。今度くわしく書きます)
現像液(蒸留水+硫酸第一鉄+氷酢酸+アルコール)をガラスの表面に流しかけます、露出があっていれば、20-30秒くらいで画像が出てきます、その後、水をかけて現像を止めます(これは水道水でいいと思います)
しっかりと水で洗い流したら、明るい部屋に持っていっても大丈夫です
定着液(チオ硫酸ナトリウム+水道水)に漬けます、この際黒いアクリルなどを置いておくと画像が見やすいと思います。
5-10分ほどで画像が出てきます、湿板写真でもっともテンションが上がる瞬間です。上手くいくと、かなり上がります、何度見ても上がります。声出ちゃいます。
20分-30分くらい定着液に浸しておきます
水洗します、30分くらいですかねー?しっかり水洗しないと乾燥後に変なシミができます。
水洗後、ラックで乾燥させます、自然乾燥なら1日は置いておきたいところです。
乾燥後、膜面保護のためにニスを引き、完成となります。
以上が簡単なワークフローになります